タミフル騒動諸々

 厚生労働省から、インフルエンザ発症後は注意するように喚起する警告が出ましたね。至極無難な選択だとは思いますが…。市井の意見を見てみると(といっても日記とかブログですが)、反応は様々ですね。
 「何が本当か解らないからよく見極めないと」などという真っ当な方もいますが、ごく少数のようで…。

 「家内がタミフル飲んでますが平気です」
 「普通なら未成年者のタミフル投与を中止すべきだ」
 「これは薬害だ」
 「薬害エイズと同じ顛末をたどるだろう」

 …ううむむ。やはりいまいち公平な情報は伝達されていないような…。逆に、「これはインフルエンザ脳症でしょう」という方もいるようですが、それも暴論かと思います。

 「結果的に厚生労働省が因果関係を積極的に認めたと言わざるを得ません」という方もいますが…これは「??」です。認めようがないですよ。認めるためには、未成年者でインフルエンザA型と診断されながら、あえてタミフルを投与しなかった群と投与した群で、異常行動発現の差を見なければいけませんから。現状、特殊な例を除いてほぼ全例がタミフル投与を受けていますから、因果関係を云々するのは不可能です。もし認めたら、厚生労働省の勇み足でしかないでしょう。

 倫理的に二重盲検試験ができない薬品の場合、症状との因果関係を立証するのは非常に困難なことです。「もしかしたら」くらいの状況で認めてしまったら、タミフルの使い控えが起き、インフルエンザのパンデミックが起こってもおかしくありません。たとえばこれで使わない児童が増え、インフルエンザ脳症や高熱による精神神経症状で死亡事故が起きたら、報道はちゃんと伝えてくれるんでしょうか?「タミフルのせいだと誤解を与えるような報道をして申し訳ありませんでした」と放送するんでしょうか???しないでしょうねえ…。

 ウチの兄一家もインフルエンザにやられているようで他人事ではないんですが、現時点では注意勧告にもあるように、未成年への投与は慎重に行い、保護者の方へ異常行動の可能性を示唆する、というあたりが無難なのではないでしょうか。