RUSH

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観てきました! 先行上映は逃しましたが、雪の中、2月8日の夜に。封切り二日目に見に行くなんて、生涯初です(笑)。

 一言で言うと「史上最高のF1映画」。映画ファンとして語りたい部分と、F1フリークとして語りたい部分とがありますね。

1/20 フェラーリ 312T2 1976 日本GP 20243

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(以下ネタバレ)

 実話を元にしていますが、時折フィクションが混じっています。まあ映画としては致し方ないあたり。ハントがジャーナリストに制裁を加える部分はスッキリしますが、さすがに嘘。ラウダがマシンを一晩で改造するのも、さすがにやりすぎかも。ただ、ともに、映画としては効果的です。全体的に余計な描写や蛇足がなくて、ストーリーテリングも秀逸です。見終わってから、「このシーンいらん」というのがほとんどありませんでした。

 F1に関して破綻していないのは、大変好感が持てました。大概のレース映画でありがちな「そりゃさすがにねえよ」という、興ざめな部分が全くない。ろくな映像が残っていない当時のレースシーンをここまでリアルに再現して頂いてありがとうございますというか(笑)、観ている2時間は幸せでしたね。無駄な説明や、冗長な描写がないのも素晴らしい。これでF1やレースについて延々説明台詞があったら、ファンとしては辛かったでしょうね。でも、知らない人は知らないままでいいよ、という造りにしてあって、そこが素晴らしい。「グラン・プリ」に匹敵する一本です。

グラン・プリ [Blu-ray]

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※「グラン・プリ」は、実際のF1レースをリアルタイムで撮影していたので、半分記録映画というか、ちょっと卑怯だと思っています(笑)。

 ブランビラ、テディ・メイヤー、ポストレスウェイト、そしてエンツォ、…オールドファンなら「おっ」と思わせる面子が、特に何の説明もなく出てくるのも楽しいですね。セヴェール事故死、ティレル6輪車など、知る人ぞ知るエッセンスがてんこ盛りで、知らない人は、二人のライバルが激突したレース映画として、知ってる人はほぼ実録に近いF1映画として鑑賞できる、非常に細部まで作り込まれた、良い映画でした。

 欲を言えば、ドライバー視点でのレースシーンがもう少しほしかったかなー。映画を見終わったあと、没入して、身体が疼く感じがちょっと足りませんでした。そこだけ残念。もう一回観たい!